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2009年08月15日

オバマ大統領のプラハ演説に、日本は頭を抱えている!

2009年8月12日放送分「青山繁晴のニュースの見方」より

「 オバマ大統領のプラハ演説に、日本は頭を抱えている!」

アナウンサー:
今日のテーマは何でしょう?



青山氏:
今年の夏も、広島、長崎に64回目の原爆記念日が、やって来ました。
今年は例年の原爆記念日と違いまして、大きな特徴と言いますか、
変化が有りまして、と言うのは、



アメリカのオバマ大統領が、チェコのプラハで、核なき世界を作ると言う
演説をしまして、それに対して、広島、長崎の市長さんが、



非常にオバマ演説を高く評価しまして、一緒にやっていくんだと
表明されまして、特に広島市長におかれては、演説の中で、



オバマジョリティと言う言葉を、使われて、
オバマジョリティ、要するに、オバマさんと一緒にやる、多数派
と言う意味なんです。



オバマさんとマジョリティを一緒にしている、
更に、オバマさん本人が言わなくなった「Yes we can」と
最後に言われて、



それで皆さんは、中々、国民は普通は本音を
言いにくい部分があると思うんですけれども、



むしろ、健全な普通の常識のある国民で、あればある程
こんなにオバマさんを礼賛しても良いのかと、大丈夫なのかな?



と胸の内で、思われた方は、決して少なくないと、思います。
広島、長崎の市長さんの演説だけではなくて、



例えば、衆議院選挙に向けた、マニフェストでも、
共産党や社民党のマニフェストにも、



特に、核なき社会と言う言葉を、そのまま使われて
オバマさんに頼みたい、と言う空気が非常によく表われています。



私は、外交安保の仕事をしていることもあって、長崎は20回以上
広島には30回以上、お尋ねしていて、例えば、一人暮らしの



被爆者のおばあさんにも、繰り返し取材した事があります。
その時に、被爆者の方々にとって、この地上から、核兵器



と言うものが、無くなって欲しいと言う、願いが、
どれ程、痛切な物か、口先だけのことではないと言うのは、



本当に、この20数年間、感じて来たんです。
被爆者の願いと、政治家達のオバマ演説の捕らえ方が



本当にピッタリ来るもんなのか、と言うことを
あえて、リアルに考えてみたいんです。



オバマ演説が、実際に世界でどのように、受け取られているか?
例えば、同じ核保有国のロシアは、プーチン首相がこれに賛同する



と言う事で、手を上げていますけれども、例えば、イギリスであったり
フランスであったり、それからお隣の中国であったり、北朝鮮も含めて



このオバマ演説に反応している国というものは、殆んど無いのが
実態ですね。



アナウンサー:
ない?は〜ぁ!



青山氏:
それは、どうしてかと言うと、オバマ演説の真意と言うものを、
例えば、イギリスは核兵器を、扱っているのは実は海軍なんです。



空軍ではなくって、と言うのは、イギリスの核と言うのは、全部
潜水艦に乗せている核で、地上には置いていません。



イギリス海軍の、長年の付き合いの人に、メールと電話で聞きますと
「オバマ演説は、青山は同じ事を、考えているだろうが、狙いは



二つなんだ、その内の一つは、アメリカとロシアは、お金が無くなった、
アメリカは去年の9月15日から金融危機があり、ロシアも



アナウンサー:
そうですね!その煽りを受けて!



青山氏:
石油とか天然ガスの価格が下って、お金が無くなってきている。



ところが、核兵器と言うのは、日本ではチョッと誤解がありまして、
核兵器はむしろ、核さえ持てば、後の防衛費は安上がりで済むと



評論家の方でも、そのようにおっしゃっている方もいますが、
これは、核兵器の現場を訪ねると、そんな事は全然ありませんで、



むしろ、逆であって、物凄い維持費が掛かります。
ハードの面でも、維持費が大変です。



核兵器は維持保管を間違ったら、大変な事になります。
人材と言う意味でも、非常に高度な人材を、
沢山投入しなければいけない。



核兵器は以外と、劣化が進むので、新しい物に交換をしなければ
いけない。



アナウンサー:
そうなんですか?
更新しなければいけない?



青山氏:
そうです!言わば、賞味期限がある!
そう言うことを考えると、今のように馬鹿げた数を持っているのは



非合理的であって、数を減らして、維持費を減らしたいと言うのが
最大の目的の一つです。



それから、もう一つは、例えば、イランであれ、北朝鮮であれ、
核開発が進んでいって、テロリストに売るようなことがあったら、



アメリカ一国では、とても、対応できない!
世界の警察官を自認していたけれども、それは、もう無理で、



アナウンサー:
ましては、アメリカに持ち込まれたら、敵わん!
ということでしょうね。



青山氏:
その通りですね、それを恐れているから、多国間で連携したい。
その時、アメリカ自身が核を持ちすぎていると、



言わば、アメリカ姿勢を問われるから、テロリストに対抗する
多国間協力を作るために、こう言う発言をした。



ところが、その目的自体が、別に間違っているとは申しませんが、
しかし、核なき世界と言う、オバマさんが言った、美しい言葉に



向うかと言うと、先ず、アメリカ、ロシアが核兵器を減らしていくと、
例えば、段々、中国が持っている、核爆弾の数に近づいて行いきます。



アナウンサー:
中国の比重が上がって来る訳ですね!



青山氏:
比重が上がって来るのと、アメリカ、ロシアも必ず、そこで、止まるんですね!
つまり、中国よりも少なくなる訳には行けないので、



中国が、一緒に減らしていくならば、また別ですけれども、そう言う姿勢は
一切ありませんから!



アメリカ、ロシアが減らして行くのは、必ず止まるし、止まるけれども、
減らしたことによって、中国の比重が上がり、中国だけではなくって、



例えば、北朝鮮は、5〜6しかありませんが、そう言う少ない数の
弾頭でも、値打ちが上がって行く訳です。



アナウンサー:
そうですね!相対的にですね!



青山氏:
ハイ!そうすると、残念ながら、アジアの中でも、或いは他の地域でも
あるいは、ヒョッとしたら、将来、中南米でも、1個か2個の核さえ持てば



相対的に値打ちが上がるから、国が貧しくてもやって行ける、
世界の援助が得られる、或いは、アメリカの援助が得られる
と言うことに、成りかねないのです。



それから、もう一つ、日本政府は、実は頭を抱えていまして、
と言うのは、日本は今まで、核武装しないという、
方針を勿論、貫いて来たんですけれども、



それは、如何してかと言うと、中国や北朝鮮の核があっても、
アメリカが核の傘によって守るから、日本は自分で持たなくても良い、
と言う話だったのですが



ところが、仮にオバマさんの演説を真ともに受止めたら、
アメリカは核の傘を、これは無くした訳ですよね!



アナウンサー:
うん〜!



青山氏:
そうすると、2年3年先と言いませんけれども、
例えば、50年先の日本を考えると、



アメリカの核の傘が無くなって、中国がそのまま
核を持っていたら、普通の話として、自分で核武装しなければ
いけないと言う話になります。



そうすると、少なくとも、2009年、64回目の原爆記念日に
私たちが、考えなければいけないのは、オバマさんを、
ただ礼賛するのではなく、オバマ演説の中の、ウソを
チャンと指摘をする。



例えば、プラハ演説をよく読むと、世界の中で、イランのように
新に核開発をする国へは、厳しい規則を当てはめて行くんだ!と
行っているけれども、



じゃ、例えば、公言はしていないけれども、本当は持っている
イスラエルは如何するのか?



と言うのは、全然、確かではないんです。
ハッキリ言うと、アンフェアなんです。



そう言う所も、チャンと指摘した上で、それども尚且つ、世界最大の
核保有国である、アメリカがこう言った意味は大きいから、



我々は、オバマさんの尻を叩こう、と言うなら、私は評価できるんですけれども
今のような、礼賛の仕方は、私は、むしろ危険ではないかと思います。



アナウンサー:
だから、道義的責任もありますと、言う事も、言いましたけれども、
道義的責任があるんであれば、原爆症に今なお、苦しんでいる
人達に、原爆でゆえなく命を奪われた、20数万人の人々、



この人達に、ある意味、賠償すると、言うようなことまで、踏み込んでいけば
本当の意味での、道義的責任を認めたと言うことになるんでしょうけれども。



青山氏:
おっしゃる通りですね!
今日、最後に、アメリカの内部の、話をしたいのですが、



アメリカの内部の、所謂、リベラルな立場の、マスコミの中で
有名なニューズウイークと言う、ニュース雑誌がありますが



これが最近、オバマさんに対して、疑問を投げかけて、
それは、オバマさんは、美辞麗句を並べるけれども、



オバマさん自身が、その美しい言葉に囚われていくのは
とても心配だ、と尚且つ、オバマさん自身が美辞麗句を



何度も何度も言う内に、世界で幻想が広がっていく、と言うのを
大変懸念している、と言う論調が出まして、



これは、私は大事な指摘だと思います。
日本は確かに、世界で唯一の被爆国であり、30万人近い方が



亡くなったり、今も苦しんでいる方が、いらっしゃるんですから、
オバマ演説の、そう言う可笑しいところを、指摘する事こそ
私たちの、役割だと思います。



今日の放送はここまで。
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